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イベント集客時の広告媒体とイベントコストの回収の考え方 ~ イベント集客の手順(4) 〜

イベント集客の手順(4)広告媒体とイベントコストの回収の考え方-イメージ-


広告媒体の選び方


 第3話では、広告を出稿した後のメンテナンスまで話してしまいましたが、少し戻り、広告媒体の選び方について、お話します。


インターネットの世界では、たくさんの広告が、止めどなく、そこかしこに表示されております。全くネット広告を見ない日は、スマホを日常的に利用している方であれば、ないのではないでしょうか。


佐藤尚之さんの「ファンベース」という本にも書いてありましたが、情報は日々増え続けており、5Gの普及等により、更に増えると思います。

佐藤尚之さんのファンベース


増え続ける情報の中で、自分たちのイベントの情報を、来てほしい方にちゃんと届けるのは、とても大変なことです。


その中からチケットを買っていただいて、会場に足を運んでいただくということは、更に輪をかけて大変なことだと思います。


こういう情報の洪水のような時代では、非常にピンポイントに対象者を設定して情報を届けないと、なかなか良い結果が得られません。


ただ、それと同時に広告の技術も日々進歩しており、届けたい情報と届けられるべき対象者を、かなり精密にマッチさせて広告を出稿できるようになってきているのも事実です。


その精密さや、マッチのさせ方は、媒体によって様々です。各広告媒体ごとに、特色を見ていきましょう。


お互いに幸せな広告


 一番最初に、ハナタが一番得意で、一番好きな、Facebook広告からご案内します。


「Facebook広告」とは言ったものの、ここではInstagram広告も一緒にご説明します。


なぜなら、Instagramの広告は、Facebook広告の管理画面から配信し、対象者を選ぶ時も、Facebookと共通のデータを使って選ぶからです。


つまり、設定まではFacebook広告とInstagram広告は共通で、配信先を選ぶときにFacebook or Instagram?というスイッチがあって、そこを切り替える感覚です。


ただ、FacebookとInstagramでは、広告が表示される場所の大きさが違うので、クリエイティブ(=画像)はそれぞれ適したものにしないといけません。


Facebook広告の最も面白いところは、何と言ってもカスタムオーディエンスの細かさではないでしょうか。


カスタムオーディエンスを使える媒体は、Facebook以外にもあります。


ただ、私がFacebook上でのカスタムオーディエンスの利用経験が、他の媒体と比べて多いというのもありますが、Facebookのカスタムオーディエンスは、精度も高い気がしております。



Facebookがすごいのは、「購入ボタンをクリックした人」という、ボタンクリックを元手にオーディエンスをフォーカスできる点です。


また、複数のページを経由して購入完了に至った人だけを抽出したりと、非常に細かい指定ができます。


ハナタの知る限り、ここまで細かく対象者を絞り込める広告媒体は、他にありません。そういった意味で、Facebookは非常に優秀だと思っています。


ここまで細かく設定できると、配信側はもちろんですが、広告を受け取る側も、自分の趣味趣向に合った広告が表示されるので、双方にとって良い環境と言えるのではないでしょうか。


その絞り込みを行った上で、青年層ならFacebook、若年層ならInstagram、特に女性ならInstagramのみなど、利用者層に合わせて配信します。(Instagramは女性が多いというのは数年前の話ですがw)


最近配信してみて反応がいいなと思っているのは、InstagramのStoriesに表示される広告です。


これは、Facebookでニュースフィード上に表示される広告と違い、スマホの画面めいっぱいに表示されます。


クリエイティブを工夫して作れば、友達のStoriesの間に、自分に関連性の高い情報として、画面いっぱいに広告を見せることが出来ます。


InstagramのStoriesが登場したのは2016年ですが、まだこの露出面で広告を上手く作れている会社は、少ないように思います。


そういう理由から、上手い広告が作れれば、広告のパフォーマンスを上げやすい場所かもしれません。


「上手い広告」とは、3話でも少しお話した、クリックのしやすさなどのユーザビリティの観点や、その他のデザイン、トーン&マナーなど、あらゆる点において、広告を見た方がその商品を買いたいと思い、買いやすいようにデザインされている広告のことです。


ちなみにStoriesは、手作り感を感じさせる友人の写真や動画の間に表示されるので、あまりカチっと作り込んだ画像でない方が、なじみが良い気がしております。


Facebook広告は間違いなく優秀な広告面だと思っておりますが、Facebook広告で出来なくて、Twitter広告で出来ることが、一つだけあります。


それは、他社のアカウントをフォローしている人にフォーカスして広告を配信することです。


言い方が悪いですが、他人のふんどしで相撲を取るようなやり方です。


これが有効なのは、例えばサービスを立ち上げたばかりで、自分たちの持っているデータやフォロワーがまだ少ない時でしょう。


サービスサイトを作り、訪問者がある程度いる場合は、過去の訪問者のデータを元手にカスタムオーディエンスが作れます。


しかし、立ち上げたばかりのサイトではそういったデータがないです。そこで、競合アカウントをフォローしている方にフォーカスして広告を配信すると、ある程度のパフォーマンスを得られることがあります。


ただ、Twitter広告は少し趣味趣向の分け方がざっくりだったり、あまり大きな表示で広告を作ることが出来なかったりと、調整の幅が少ない感触があります。


予算が潤沢であれば、Twitter広告でサイトへ誘い、データが溜まったところでFacebookでカスタムオーディエンスを使る。

作ったカスタムオーディエンスを色々と細かく使い分けて、FacebookやInstagramでチューニングしていく、という二段階のやり方がベストかと思います。



幅広い年齢層に届けたいときは


 SNS系の広告は、どうしても若い層に届きやすい傾向があり、逆に50歳以上の層に広告を届けるのが難しいかもしれません。


そういう時、ちょっと試してみていただきたいのが、LINEの広告です。


LINEは使っている年齢層が幅広く、50歳以上の層も使っている方が多いです。


イベントの特性上、そういった層に来ていただきたいという場合は、LINE広告も検討してみてください。


ここ最近、広告配信が始めやすいように、LINEも管理画面が作られたりと、これからが楽しみな媒体ではります。


ただ、細かい狙い方をした配信は、まだあまり出来るようになっていない広告面だと感じています。(2020年9月現在)

あと、50歳以上となると、ネット決済等にアレルギーがある方が一定数含まれるので、そもそもWebで集客を完結させること自体、よく検討してから集客しましょう。


ここまで、SNS系の媒体として3組をご紹介しました。



企業担当者向けの集客は


 ハナタがそもそもFacebook広告から始めた人間のため、SNS広告の知識・経験が豊富ではあります。


ただ、もし企画しているイベントが企業向けの場合は、Google広告Yahoo!広告も検討してみてください。


なぜなら、企業の担当者が新たにサービスを検討したり、課題を解決しようと思ったときに、いまだにGoogle検索から入る方が多いからです。


ただ、どちらかと言うとイベント集客向けというよりは【自社ホームページへの訪問者獲得・問い合わせ獲得】という目的の方が、向いている気はしております。


もし出稿するとしても、リスティングではなく、ディスプレイ広告を関連サイトに表示させた方が、イベント集客には合っているかもしれません。


ハナタは正直、イベント集客でGDNやYDNを使ったことがないので、この辺は、何とも言えないところではあります。


ちなみに、コーポレートサイトへの訪問者獲得で、Google広告を出稿したことはありますが、その時はそんなに悪くないパフォーマンスで運用できました。


しかし、結局は企業の担当者さんも、仕事をしながらFacebookを見ている方はいると思うので、イベント集客という観点であれば、ダンゼンFacebook広告をオススメします。


さて、媒体のご案内はこんな感じです。世の中には色んな媒体がたくさんありますし、1つの媒体の中でも広告配信の仕方が無数に存在します。


例えばFacebookだと、イベントページを立ててそのページの閲覧者を増やす広告もあったりします。ケースによっては、このやり方も有効です。


なので、一概にどれが良いとも言えないですし、まだまだ未開の地的な媒体もあります。


気になる媒体があったら、とりあえず少額でもよいので試しに出稿してみることをオススメします。


イベントの失敗は防げる


 ここまで、集客そのものについて、ハナタなりにお話してきました。長く稚拙な文にお付き合いいただき、本当に、ありがとうございました。


さて、最後に少し、イベントそのものについて、成功と失敗の考え方と、イベントで掛けたコストの回収の仕方を、お話してみようと思います。


なぜなら、これを話しておかないと、大体のイベントは失敗と認識されて、世の中からリアルイベントがなくなってしまうからです。


そんなことは、出来れば避けたいです。




 リアルイベントは、どれだけ綿密に準備して実施しても、失敗することがあります。


ニーズが無かったのか、雨が降ったからなのか、理由はその時々によって色々あると思います。


ただ、失敗しても、学びはほぼ必ずあるのが、リアルイベントです。


もし、自社のブランドやサービス、商品の利用者に直接会ったことがない場合は、利用者に会えただけでも、大きな利益になります。


なぜなら、今後の企画や改善を考える際に、利用者に直接触れることでしか得られない”一次情報”は、どんなに名著と呼ばれる本を読んでも得られない、かけがえのない資産だからです。


そもそもリアルイベントは、大体の場合、とても効率が悪いです。この「効率が悪い」の意味は、費用対効果のことだと思ってください。


特に瞬間的な数値において、かけた費用に見合った売上をあげられないことが、多いです。


リアルイベントというのは、会場に来ていただいて、参加者に何か収益になる行動をしていただかないと、利益が出ません。


でも、どうでしょうか。場所代に数十万円から数百万かけて、有名な方に登壇いただくためにギャランティーをお支払いし、集客のために広告を回し…。


他にもスタッフのための食費、警備や整備を依頼する費用など、ありとあらゆる出費が発生します。


そういうイベントに、例えば300人参加者がいて、一人1万円会場で使っていただいたとしても、利益がでません。


音楽アーティストのコンサート等で、チケットが1万円以上する場合でない限り、イベントで1万円も使うことって、ほとんど無いと思います。


ビジネス系のイベントで商材を売っている企業が、数千万を超えるような商品を売れた場合は、確かに、その出展企業単体は、回収できています。


でも、イベントをきっかけに直接契約に結びつくことって、なかなか難しいです。


では、何のためにイベントをやるのでしょう?それは大きく、次の観点に分けられるかと思います。


①費用対効果を長期的な目線で見ている
➁なんか楽しいからやる(≒メンバーのモチベーションアップのため)
③費用対効果を特に気にしていない
④リアルイベントは瞬間的な費用対効果は悪いという事を知らずにやっている


ほかにも観点はあるかもしれませんが、ぜひ、①の「長期的な目線」で見ましょう。


イベントを成功させるためには、イベント以外の部分が非常に大事です。そのイベントをきっかけに、何が起こせたか?どんな、人と人、物事と物事のつながりを生み出せたか?です。


イベント開催時間は2~3時間と、限られた時間です。その限られた時間の中で、上記を全て達成するというのは、少し無理があります。


そう考えたときに、イベント終了後にもそういう可能性の種を保存しつつ、どこかで花開けるように、仕組みを作っておくことが、大切です。


理想は、イベント終了後にも、イベント参加者の熱量をプールしておける仕組みを、イベントを企画する段階からよく考えておきたいところです。


それは何も、システムを作るしか方法が無いわけではなく、例えば、参加者の方からメールアドレスを取得するとかでも、とりあえずはいいわけです。何も思いつかなければ笑。


ただ、メールアドレスだと、他のメールに埋もれてしまう可能性もあるので、できれば自社のサービスの中で、そういった、コミュニケーションをストレスなく継続的に行える環境があると、とても良いと思います。


自分たちで開発する体力がない場合は、Facebookグループや、LINEアカウント等を上手く活用しましょう。


くれぐれも、そこでの全体向けの連絡は、タイミング・頻度・内容に気を使って、嫌がられないようにしましょう。


また、他の回収の仕方として、例えばオウンドメディアやnote、その他のメディアにイベントの様子を掲載し、その中で自社のサービスをアピールできれば、会員獲得やお問い合わせ獲得のきっかけになるかもしれません。


ただ、残酷なことを言いますが、これも、効率は良くなりにくいです。1000人に記事を見てもらって、1件の結果が得られれば良いほう、くらいだと思います。


イベントコストの回収の仕方は、アイデア次第で他にもたくさんあると思います。ぜひチームで色々と話し合ってみてください。


また、もし長期的に見て回収できなくても、学びは多分あります。一次情報の貴重さを知り、大切に扱えればです。


ぜひイベントをきっかけに、自社のサービス・ブランドを、いい方向に成長させていってほしいです。


先述した佐藤尚之さんの「ファンベース」も、きっと参考になると思いますので、ぜひ読んでみてください。


願わくば、短期的な数値だけ見て、イベントが失敗だったという判断だけはされませぬように。



ということで、4話にわたる「イベント集客の手順」は、ここまでです。

本当に、長い文章をお読みいただき、ありがとうございました。


まだまだ話したい事はありますし、これからも学んだことを書いていこうと思いますので、ぜひこれからも、hanata.jpを、よろしくお願いいたします。


ありがとうございました。

ハナタ

 


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