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本当の地方活性化とは。「Another Sky 本橋麻里さん編」を観て。

向日葵の花畑のイメージ

 「私のAnother Sky」として、地元の北見市を叫んだ本橋麻里さんが、あまりに素敵だった―。



僕はカーリングファンで、HDレコーダーにキーワードで「カーリング」を登録している。すると、今日たまたま「Another Sky」に本橋麻里さんが出演されていて、録画されていた。寝る前の30分、サクッと見て寝ようと思い、とても軽い気持ちで再生したのだが、こんなに感動するとは思っていなかった…。



 内容は、本橋さんのカーリングを始めるきっかけから、はじめての世界大会と、挫折。その後、五輪に出場し、実力が出せないまま北見市に戻り、自分のチームを立ち上げ、やがてロコ・ソラーレがオリンピックで銅メダルを獲得するまでの道程を、ご本人が話してくださる内容だった。



ここで細かく内容を話しても、番組の美しさや感動にはかなわないので割愛するが、集客やマーケティングにおいて本質的に参考になるポイントがあった気がしたので、書いておきたい。あくまで技術的な話ではないので、あしからず。



本橋さんが北見市に戻り、チームを立ち上げる時、資金はゼロだったそうだ。その時に彼女に手を差し伸べたのは、カーリングとはほぼ関係ない世界にいらっしゃる、皮膚科の院長だった。



院長が資金を提供する時に、彼女に言った言葉は、「4年に一度の五輪のためにやるのだったら、お金は出さない。地元に根付くチームを作るなら、サポートする」というような言葉だったそう。



彼から資金面でのサポートを受け、彼女のチームは目覚ましい成長を遂げた。五輪では日本人で史上にない好成績をおさめた。チームの勢いに引っ張られる形で、北見市は元気になった。



本橋さんが結婚を迷った時に背中を押したのも、院長だったそう。「スポーツはそもそも楽しむためのものです。結婚して子供を産んで、カーリングをやればいい。」そう語る院長の言葉を聞き、番組収録の最中でも涙を浮かべる、本橋さん。



男性の僕でも、涙が出た。人生とは、何か。楽しむことを忘れてしまっては、本質を見失う。楽しむための活動があって、結果、チームが強くなり、五輪でも好成績をおさめ、地元は元気になった。どれも狙ってやったことではないのではなかろうか。



ロコ・ソラーレの吉田知那美選手も、インタビューで語っていた。「カーリングが人生なのではなく、人生の1ページとしてカーリングがある。他のことも人生であり、カーリングも含め、全てが存在して、人生だと思う。」と。



本橋麻里さんは、五輪で強敵だったスウェーデンの選手を見て、感化されたそうだ。チームの女性のほとんどが、結婚し、出産を経て、チームに戻ってきていると。それでも彼女たちは強いままなのだ。カーリングだけではなく、人生をカラフルに、生きている。



番組を見て、思った。チームが強くなったのも、北見市が元気になったのも、「人生を楽しむ」ということを考えて、真面目に生きた結果なのだ。そこに「地方活性化のためにUIターンサービスを売ろう」などといった、打算は無い。



本当に地方が元気になるために必要なものは、何なのだろう。人が、幸せになるためには、何が必要なのだろう。



それは、人が人に寄り添い、必要な時に必要な言葉をかけてやり、心をこめて見守る。それのみが、たった一つの手段なのではないか、と思った。そんな話だった。



最近ちょこちょこ見かける、地元活性化をうたったサービスも、批判はしない。そういうサービスは非営利組織がやっているケースもあるが、営利化か非営利かということは置いておいて、こういった人の「気持ち」を出発点にせずに、仕組みばかり作っても、何も解決できないのかもしれない。



院長は別にマーケティングのプロではなく、医者であり、本橋さんも、スポーツのプロだ。本質的な課題を解決してしまっているのが、マーケティングのプロではないというところが、逆に本質を見せてくれている気がする。



本当のマーケティングが成功している世界では、マーケティングがマーケティングとも思われずに、振る舞われている世界なのかもしれない。それが、理想なのかもしれない。そう、思った。



本橋麻里さんが出演されていたAnother Skyは、こちらで見られます。ぜひ見てみてほしいです。なにかのヒントが、あるような気がします。



お読みいただき、ありがとうございました。

※記事中の人物の発言は、一言一句相違なく書き出したものではございません。ご了承ください。


ハナタ


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